「萌える」気分について

元々同人系のオタクが使い始めた「萌え」は、その起源と関係なく広く一般的に(他のジャンルのオタクや「オタク」と呼ぶほどでもない愛好者・ファンの間でも)使われ出す。柔らかく温かい響きが、人々に好意を持って受け入れられている理由なのだろう。ここでは、主にオタクが萌えを使うときの、部外者には分かりづらい点について、補足しておく。

重要なのは、この萌えが、彼らがキャラクターに対する愛情を表明したりして盛り上がりたい、といった彼ら独特で共通の気分を簡単に説明できたがゆえに、特定のファン以外のアニメファンの間でも急速に広まり、萌えが彼らの共通言語となったことだ。

その後、語源の1つといわれるキャラクターが含まれる「美少女戦士セーラームーン」のヒットの原因が「萌え」を促進させる構造にあると分析した庵野秀明による「新世紀エヴァンゲリオン」のブレイク(商業的成功)によって「萌えビジネス」が確立。そしてインターネットの普及にともない、アニメファンの活動が個人ファンサイトやBBSなどでも行われるようになり、結果、予期しない多くの人たちの目に触れられるようになるにつれて、漫画やアニメやゲームのキャラクターや声優などの「オタク専門趣味」以外の人たちも使うようになる(例:なっち萌え)。

付け加えれば、モーニング娘。などのファンが頻繁に萌えを使うのは、彼女たちがアニメのように消費されているがゆえに、そのファン層がアニメファンとダブる(娘。のオタクのことをモーヲタと称する)こととも無関係ではないように思われる。

そして、既に多くのオタクは「萌え」というフレーズを解体して多義的な用い方を好むようになっている。キャラクターに限らず、身近な異性や同性の「ちょっとした可愛い言動」に対しても「萌え」と言うし、パソコンや車といった非生物や、概念にすら「萌える」ことも少なくない。

「萌え」とは「愛」というプリミティブな感情をただ別の言葉で言い換えただけだ、という考え方もありうるだろう。

更に言えば、「激しく心が動く」ほどでなくとも、軽い気持ちで(「好き」よりもライトな感覚で)発言されるケースも多い。

■「萌え」の広がりについて
なお、2004年になって一斉にマスコミが「萌え」を取り上げたのは、美少女イラストつき英単語帳『もえたん』のヒットや、ニッポン放送のラジオ番組『東京キャラクターショーRADIO』にて、DJをつとめた声優の田中理恵とアナウンサーの吉田尚記が、夜な夜な「萌え〜」と連呼していたことも影響していると思われる。「萌え」と関連して語られる「電車男」および「メイドさん」は、各項にて。
と書いてました。
何やってんだヲレ・・・。